人生で3番目くらいに嫌なこと

引きこもりになりきれない私は、稼ぎもないくせに日々靴を無駄に消耗している。
ある日履き慣れたスニーカーに鼻血を盛大にぶちまけてしまい、近所の靴屋で安いものを物色していた。あれでもないこれでもないと我ながら煮え切らない態度であったと思う。
そこにだ。
あの忌むべきものがやって来たのである。
そう『話しかけてくる店員』だ。

私はこれが心底苦手である。あまりにも嫌すぎて店員に話しかけられた瞬間に何も買わずに店を出てしまうことが多々ある。

先日も友人へのプレゼントを検討していたのだがそこでもあれやこれや話しかけられ、更には以前その店を利用したことを覚えられていたらしくその話も振られた。その後のことは良く覚えていない。綺麗にラッピングされた品物を持っていたので買い物は出来たらしい。

まぁ店員もやりたくてやってるわけじゃないことはわかる。何故なら私が接客業を務めていたとき死ぬほど嫌だったからだ。だけども会社の方針に従って客に声をかけねばならぬ。会社も会社でその方が利益が出るから、従業員に声かけをさせるのである。
そう考えると悪いのは店員ではなく、店員に話しかけられただけでほいほい購入する客であるわけだが、それこそ私があれこれ言っても仕方ないことである。

そもそも何故店員に話しかけられるのが嫌なのかといえば、あちらがこちらを認識していることがわかってしまうのが嫌だからである。
あれこれ悩んでうろうろして鬱陶しいから早く買って帰れとかそんなキモイ面下げて店に長居するんじゃねえよクソがとかそんな小さな商品持ってうろつくとか万引きかな?とか思われたのではと居心地が一気に悪くなってしまう。少しでも不審に思われたくなくて気持ち悪い笑みを浮かべてしまうし言葉の歯切れも悪いし段々と死にたくなってくる。
放っておいてくれ。本当に。

ちなみに人生で1番嫌なことは生きていることで、2番目は静電気である。

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